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不幸にして乳癌に罹患した患者のカルテを実際に読んでみると必ず共通点があります。どの患者も何らかの「違和感を感じた」と医師に訴えています。例えば、「乳房の中にしこりを感じた」が一番多く、「押すと痛みを感じた」「乳首から血液が出た」「乳房の表面に引きつりを感じた」というような「違和感」を感じています。
このような違和感を感じたことがあっても仕事が忙しいとか、気になっていても常時のことではないので、女性の場合、やはり医師であっても乳房を他人に見せることに対して抵抗がありますから、どうしても受診が遅れる傾向があります。
そして、この違和感が病的な自覚症状となり、病院に診察に行くと既に乳癌が広がっていたという厳しい現実もあります。
一般的な事例をお話しましたが、実は、以上のことは、乳癌特有の症状でもあるのです。乳癌は乳房の中にできる悪性腫瘍です。胃癌も同じ悪性腫瘍です。ところが、胃癌には、「自分が胃癌ではないか」と考えるような自覚症状がまずないと言っていいと思います。ところが、乳癌は、何らかの「違和感」を感じることができます。
乳癌は、「自分で発見できる唯一の癌」とも言われます。
自分で乳房に触れて、鏡でみたりして、しこりがないか、ひきつりや痛みがないか触診することができます。
単に悪性でない乳腺の炎症や腫瘍であるかも知れませんが、この「違和感」を感じたときは、意味もなく楽観的に考えず、まず、専門医の診察を受け、もし、乳癌であっても早期であれば、乳房を温存したままで、治療ができる場合が増えてきました。
乳房に「違和感」があれば、乳癌の症状ではないか疑ってみるのも必要であると思います。